ヴェネツィア

2006年、真冬の2月に訪れた。
空気が澄んでいて情景は美しかったが、あまりの寒さに筆が思い通りに動かず、制作には難儀した。体が冷え切ると近くのカフェに入り、暖を取ってしのいだ。
カーニバルの前でまだ宿代も普通の時期。窓から小運河が見える部屋だったので、ずっと同じホテルに滞在した。
油彩の道具一式を持ち込んで、一週間ほどの滞在。絵具が足らなくなると、アカデミア美術館近くの画材店で補充した。

 

 

まず惹かれたのは無数に走る小運河。水面のグリーンと建物の赤、そこに差し込む陽光や水面への映り込み、ゴンドラなどが加って、シンプルなモチーフながら描くポイントは無数にある。

 

 

油彩で制作。木枠に張るとかさばるため画布のみで描いた。

 

 

アカデミア橋の上からサルーテを望む。

 

 

同じくアカデミア橋から。夕刻の陽が当たり美しい。

 

 

早朝のサン・マルコ広場から日の出と共にサン・ジョルジョ・マッジョーレを描く。まだ誰も出歩いていない時間だったが、あまりの寒さで絵具をパレットに絞り出すのさえ難儀した。

 

 

同じくサン・ジョルジョ・マッジョーレで、こちらは夕刻の光。

 

 

造船所のあたりから遠く鐘楼とサルーテを望む。1週間ほどの滞在だったが、晴れ、曇、霧、と盛りだくさんの天候だった。