コート・ダジュール(Côte d’Azur)
ニースを中心とした紺碧海岸コート・ダジュール。パリから800キロほど離れており、車で10時間、電車で5−6時間、飛行機で1時間。カンヌからマントンまでの約60キロ、そして北の山間の町を含めたアルプ=マリティーム県には様々な画題があふれている。気候も温暖で恵まれた土地だ。
アンティーブ(Antibes)
アンティーブ(Antibes)はカンヌとニースの中間にある海沿いの町。城壁跡に囲まれた旧市街や豪華クルーザーの停泊するヨットハーバー、白砂のビーチなど見どころは多い。
考古学博物館のスロープを登ったところからピカソ美術館のほうを見て描く。時間帯は夕方で、光が旧市街に当たり美しい。
グリマルディ城を改装して出来たピカソ美術館を見上げる構図で。写ってはいないが、右側はド・スタールの最期のアトリエ。
ヨットハーバー越しに灯台と要塞(Fort Carré)を捉えた構図で。天気が良いと遠くアルプス山脈やニースの街並みも見える。
手前は小さめのヨットが並び、灯台の奥のほうには豪華クルーザーが停泊している。
サン=ポール=ド=ヴァンス (Saint-Paul-de-Vence)
サン=ポールは丘の上にある小さな村。ニースから北西に20キロほどのところにある。城壁に囲まれた旧市街の中には細い路地や坂道が迷路のように広がっている。村の入口に車を停め、中には徒歩で入る。
マーグ財団美術館方面からサン=ポールを見る。まだ朝なので太陽は向かって左奥にあり、村のシルエットはほぼ逆光だ。遠くには地中海の水平線も見える。
村の入口付近から、見上げるような構図で。サン=ポールは鷲ノ巣村のなかでも整理された観光地だ。公衆トイレや水飲み場(L’eau potable)が充実しており、一日中滞在していても不便を感じたりということはなかった。
村の北側から遠くサン=ジャネの頂きを望む。よく見ると岩山の途中にも集落が点在している。眺めるぶんにはいいが、実際にそこに住むのは大変だろう。
夕方7時過ぎ。朝と同じくマーグ財団美術館のほうからの眺めだが、太陽光が真逆になっていて西日が美しく村を照らしている。
カンヌ(Cannes)
映画祭で有名なカンヌ。コート・ダジュールではニースに次ぐ大きな街だ。目抜き通りのラ・クロワゼット通りから、手前のビーチと向こうに少し盛り上がった旧市街、シュケの丘を描く。
絵のモチーフとしてのカンヌは、海・山・街・人のバランスがとれた場所だ。
マントン(Menton)
イタリア国境に接するマントン。ニースやカンヌほど大きくなく、どこか親しみやすい街だ。建物もイエローオーカーやピンクで、ちょっとフランスとは思えない色合い。歩いているだけで楽しい気分になってくる。
街の高台から見下ろす構図で。マントンの建物は固有色が強くそれだけで絵画的なのだが、逆に色を自由に使える油彩画でそれを表現するのは難しい。
街の象徴サン・ミシェル・アルシャンジュ教会と、その後ろにそびえるウルス山。コート・ダジュールの海沿いの街で、ここまで山が近くにあるのは珍しいのではないだろうか。
ヴィルフランシュ=シュル=メール(Villefranche-sur-Mer)
ヴィルフランシュはニースから東へ6キロほどにある小さな町。オレンジやピンクに塗られた建物が、丘の斜面にびっしりと集まっている。車の駐車スペースがほとんどなく、パーキングには苦労した。
波の少ない落ち着いたビーチとはどちらかというと年配の人が多く、ヒップホップがガンガン流れていたりということはなかった。
エズ村(Èze Village)
崖の上の村、エズ(写真の左上)。なぜこのようなところに村を?と思うが、かつて異国の敵から守る防衛の意味もあったという。いまは異国からの観光客でいっぱいだ。
村を見下ろすポイントから。傾斜度30度の細い坂道を延々と登っていき、ようやくたどり着く。この周辺は高級別荘が点在するエリアだ。
村の植物園に入り、細い階段を登って村の頂上に出るとおなじみの絶景ポイントに着く。晴天の午前中はサン=ジャン=カップ=フェラの岬もよく見える。
村の中は細い路地と階段、坂道の連続で迷宮のよう。教会裏の墓地からフェンス越しに村や植物園と、その下にひろがる海を描いた。
コート・ダジュール(アルプ=マリティーム県)その他
カロ村(Carros Village)。山間のこぢんまりとした鷲ノ巣村だ。歩いている観光客はほとんどいない。
宿泊していた町、ガティエール(Gattières)。鷲ノ巣村だが愛想はなく、ほとんど観光に力を入れていない印象だった。地元の人が集まる小さな広場で。
サン=ジャネ(Saint-Jeannet)。険しい岩山の麓に作られた鷲ノ巣村だ。上のカロ村もガティエールもサン=ジャネも車で15分足らずで行き来できる。
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